腰痛でお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。その痛み方や原因はひとそれぞれ三者三様です。
そしてケアの仕方も三者三様であると言えます。病院に行く方、整骨院に行く方、セルフケアをする方など様々ですよね。
今の世の中、いろんなケアの仕方があってもストレッチは共通するものだと感じます。あなたもストレッチをした経験はあるはずです。
しかし、このストレッチというのが曲者で言葉を知っている方の割に、あまりストレッチの役割や効果が分かっていないですよね。
気軽にできて、日常的にありふれて、健康にいいものだと認識されているから、それを疑ったり改めたりする機会がないのではないでしょうか?
そこで今回、腰痛のストレッチについて改めて考えてみてください。
腰が痛くなったらストレッチという発想が一般的に浸透しているように感じますが、果たしてストレッチの効果とはなんなのでしょうか?
一般的にはストレッチといえば筋肉を伸ばして柔らかくするようなイメージですよね。腰が痛い時は腰が固まっているから伸ばしたらいいんだろうと考えます。
実はストレッチには大きく2種類あり、動的ストレッチと静的ストレッチと言われます。
あまり聞きなれない言葉ですが、誰もがどちらもやったことがあると思いますよ。
名前の通り、動かす(動的)ストレッチです。
動的ストレッチは主に、準備体操や健康維持のためのラジオ体操など、筋肉を伸ばすというよりも動かしてほぐしていくようなストレッチになります。
ストレッチの医学的根拠については、はっきりとしたことがわかっていない部分が多いのですが、動的ストレッチは運動の前にするのが良いとされています。
それは、人の体特有の反応をうまく利用し、体を伸ばすというよりも動きやすく柔らかくしていくという特徴があるので、怪我の予防や、パフォーマンスの向上につながるのです。
動的ストレッチとは逆に、止める(静的)ストレッチです。
静的ストレッチは動きの硬くなったところの関節を曲げたり伸ばしたりして、筋肉を伸ばすようなストレッチになります。
動的ストレッチは運動前にするのに対し、静的ストレッチは運動後にすると良いとされています。
筋肉を伸ばしていくと、筋肉の長さをコントロールしている部分が筋肉を緩めようという作用が働きます。その結果、緊張が取れるので血流を良くし疲労を軽減する効果があります。
ちなみに、静的ストレッチで筋肉を伸ばすと筋肉を緩める作用が働くので、一時的にですが筋力がわずかに低下します。
なので、運動の前に静的ストレッチする際は控えめにしたり、1時間前ぐらいには余裕を持って行い時間を空けて運動をするなど工夫が必要です。
また、伸ばしすぎると体の防御反応が出て逆に硬くなってしまいますので、我慢したり無理にしたりせず、ほどほどにしましょう。
さて、腰痛でストレッチをするときには十分注意していただきたいのですが、これを守らないとストレッチの効果がなくなるどころか、腰痛を悪化しかねません。
逆に言うと、正しくストレッチするだけで腰痛以外にもしっかり効果を発揮してくれるでしょう!
腰痛を悪化させる原因となるストレッチは、腰が急に痛くなったときにストレッチをすることです。
腰が急に痛くなったときは筋肉が炎症を起こしている可能性があります。筋肉が傷ついている状態ですね。
この状態でストレッチをすると傷口を広げるようなものです。絶対にストレッチはやめて安静にしましょう。
でも、急に痛くなったときってどんなん??判断に困りますよね。
これはひとつの目安ですが、痛いところを触って熱感がないか確かめてください。熱感があればストレッチはやめましょう。
また、急に腰が痛くなってからでもストレッチすると紛れることもあります。でもこれは動くことによって一時的に痛みを紛らわしただけで、後々たたってきます。
素人判断で痛くなってからストレッチするのは危険です。一か八かで自分の体を痛めつけないようにしてください。
腰が痛いのにストレッチしたらダメって意味ないじゃん!
ほんとそうなんです。一般的な腰のストレッチはあくまで腰痛の予防や整体などの施術の効果を高めるものと考えたほうがいいです。
でも、そこまで言っておいてなんなんですが、腰痛に効果が期待出来るストレッチの仕方があるんです。
腰が傷んでいる時に腰をストレッチするのは良くないのですが、傷んでいるところ以外をストレッチすることで腰に負担をかけることなく改善を早めることが可能です。
では、一体どこをストレッチするのか?
どうでしたか??腰痛で今までにストレッチしたことのある方は意外な方法で驚かれたと思いますが、やってみて反応があったのではないでしょうか。
反応がなかった方も、これは一部なので他にも見るべきところはたくさんあります。
では、実際にストレッチしていきましょう。体勢によって腰や他の場所に痛みの出る方は、このやり方を参考にしてなるべく痛みの出ない体勢で行ってください。
斜角筋と僧帽筋をストレッチしていきます。
筋膜リリースというやり方になります。ストレッチよりもさらに原因となるところをピンポイントにアプローチできるので余計な負荷をかけずにストレッチすることが可能です。
また斜角筋と僧帽筋は首や肩の痛みに関係するところです。首が回らない、肩が上がらないなどから腰痛になってしまっている方は、ここのストレッチで改善することが出来ます。
ブログ:腰痛に効く2つの首の筋膜リリース
次は広背筋と大腿筋膜張筋です。
ここの筋肉は体幹を捻る動作に関わるところです。横向きの体勢で作業したりテレビを見ることがある方は、ここの緊張が強くなっています。
地道にストレッチすることと同時に、体を捻ったままの体勢で長時間過ごすのを控えましょう。
最後に大臀筋とハムストリングスです。
ここの筋肉は腰痛の本当の原因になっていることが多く、長引く腰痛でお困りの方はしっかり続けてストレッチすることで、腰痛の再発を防いだり改善することが多いです。
ブログ:腰痛に効く脚の2つの筋膜リリース
ストレッチしてみていかがだったでしょうか?
今まで腰痛にお悩みの方でも、すぐに変化が出た方もいらっしゃるのではないでしょうか?
やり方が正しくなかったりすると全く効果がないので動画を参考に正しく行ってください。
また、すべてのやり方を紹介したわけではないので、2週間ストレッチを続けてみて効果が出なかった方はやり方を変える必要があります。
何度も言いますが、ストレッチは痛くなってしまった時には痛くない体勢で行いましょう。特に痛みの出てる以外のところで、硬くなっているようなところがわかればピンポイントでアプローチしていくと良いです。
日にちが経つにつれ徐々に範囲を広げたり、動きを大きくすることで改善を早め、再発防止に役立ててください。